
長毛猫と毛玉
先日、長毛猫を飼ううえでは避けて通れない天敵、“毛玉問題”を取り上げました。
僕も長毛猫はるーさんが初めてだったので、いつの間にか股にぶら下げていた巨大な毛玉に肝を潰し、
「しゅ、腫瘍!? るーさん、股に腫瘍が!!?」
と激しく取り乱してしまったのですが、その後冷静になり、いろいろな対処法を実践しました。
そしていま、るーさんを超える毛玉猫の逸材・ステラがやってきて、僕の毛玉に対するスキル、ノウハウはかなりのものになったと自任しておりますw
▲これが問題の毛玉です……。繭ではありません……w
そこで今回はさらに踏み込み、長毛猫の“付属品”とも言える毛玉の原因と、その対処法を詳しく書いていこうと思います。
猫の毛玉って、そもそもなんだ??
まずはそもそものところから。猫の毛玉ってなんでしょうか?
ここで想像するのが、猫が吐き出す“アレ”。
:(;゙゚'ω゚'):ぉっぷ……。ぅっぷ……!!
(,,>Д<)、;'.・ァッキャ!!!!!(べしゃべしゃでろろ~ん……)
のヤツwww 胃から吐き出される“内の毛玉”を想像する人が多いと思います。コレはコレで対処が必要なんですが、ここで取り上げたいのはもうひとつのほう。長毛猫の体毛が固まって、異物のようになってぶら下がる“外の毛玉”です。
長毛猫に毛玉ができる原因は?
長毛猫だからといって、むやみやたらと毛玉が発生するものではありません。できてしまうには、もちろん原因があるんです。ひとつひとつ見ていきましょう。
原因その1 シャワー後の拭き取り不足
長毛猫を飼っていると、定期的にお風呂に入れて洗ってあげる方も多いかと思います。それにより無駄な毛が落ち、“内の毛玉”の発生をかなり抑制できるといううれしい効果がありますので。ウチも夏場は月に1回くらいの割合でシャンプーしてあげています。
でも、ここで油断すると“外の毛玉”を作りかねないので注意が必要です。
シャンプー後の猫は、総じて↓こうなります。
濡れそぼったるーさんです。よく見るとわかりますが、後ろ脚からお尻に掛けて、長い毛が束状になってぶら下がっていますよね。
これ、毛玉の原因その1です。
シャンプーしたあとは飼い主が入念に水分を拭き取り、可能ならドライヤーを掛けて徹底的に乾かしましょう。乾かし不足があっても猫がキチンとグルーミングしてくれれば毛玉の心配はありませんが、この後ろ脚からお尻にかけてはなかなか舐めにくいのか、水分が残りがちです。もしも拭き取るのをイヤがられても、ブラシやコームでとかして毛束ができるのを防いであげるだけで、“毛玉率”はかな~り下がると思います。猫のグルーミングを手伝ってあげましょう。
ちなみに、水分の拭き取りと乾かすときに便利なのが、
・高吸収タオル
・布団乾燥機
ですw 高吸収タオル、いろんなものが出ていますけど、猫の身体にあてがうだけでグイグイと余分な水分を吸収してくれるので、まことに便利であります。布団乾燥機は、弱モードで使うとドライヤーよりも音が小さく、暖かいそよ風みたいな感じなので、猫がイヤがることが少なかったりします。
原因その2 水遊び後
……先日ステラが、水飲みの水にジャレてそこらじゅうを水浸しにしている動画をアップしました。
じつはステラ、しょっちゅうコレをやって身体に水を付着させ、キチンと舐め取らないものだから、脇の下やお腹のあたりにでっかい毛玉を生産していやがったのです!!
この記事を書こうと思った理由が、ここにありますw ステラがあまりにもメチャクチャな理由で毛玉を量産し、僕に苦労を掛けていることを冷静に俯瞰し、
「もしかしたら、同じようなバカ猫のせいで悩んでいる飼い主さんも多いのでは……?」
と考えて、記事をしてためることにしましたw
原因その3 お風呂場
これは、先日の記事で書きましたね。
るーさん、お風呂の蓋の上が大好きで、しょっちゅうこの上に乗ってくつろいでいるんですが、そのたびに後ろ足の近辺やお腹のあたりを濡らし、毛玉を生産しておりました。
シャンプーは嫌いでも、暖かいお風呂場に入ることが好きな猫って、意外と多いと思います。そんな子を飼われている方は、注意したほうがいいかもしれませんね。
原因その4 意外! ご飯の時!
最後、意外な理由です。
猫はご飯を食べるとき、腹ばいのような態勢になりますけど、ここでひとつ注意しなければならないことがあります。
猫のご飯皿、皆さんはどこに置かれていますか? おそらく決まった場所があって、ご飯皿の近くには水の入った器とか水飲み器が置かれているんじゃないかなと。
じつはこの、水飲みが曲者です。
猫は基本、ご飯のときは夢中になっています。自分の毛が水飲みに入っていたり、ときには水飲みをまたいだ状態になっていても、気にせずムシャムシャとご飯を食っています。夢中の状態なので濡れることも気にせず、気にしないってことは濡れた箇所をグルーミングすることも忘れたりするわけで(苦笑)、のちに毛玉に成長してしまうのです……。
長毛猫、毛玉ができやすい部位
長毛猫とはいえ、身体じゅうどこにでも毛玉ができるというわけではありません。
基本的に毛玉になってしまうのは、柔らかい毛です。硬いオーバーコートは、濡れたところでわりとへっちゃら。
▲ステラだとわかりやすいなw 黒い毛がオーバーコート。お腹の毛に比べると、硬くて張りがあるのがわかります。
毛玉危険箇所その1 お腹
柔らかい毛が生えているのは、圧倒的にお腹です。ただ、水に濡れることも少ないので毛玉率はあまり高くない気がしますが、前述の“毛玉の原因その2”の水遊び、“毛玉の原因その3”のお風呂場などは、お腹に水が付着しがちです。注意しましょう。
毛玉危険箇所その2 脇の下
前脚の後ろあたりです。ここ、人間の脇と同じで、ブラッシングしているときも見落としがちなんですよね。水が触れることはあまりないかもしれませんが、かなり柔らかい毛が密集しているので、できはじめるとどんどん成長してしまいます。ステラは“毛玉の原因その2”の水遊びで、まさに脇の下に毛玉を作りましたw
毛玉危険箇所その3 股のあいだ
おそらく、もっとも毛玉ができやすいのがココ。後ろ脚のあいだからお尻にかけてのホットゾーンですw
柔らかい毛の量が多いうえに、めちゃくちゃ濡れやすい場所。おそらく毛玉の9割は、この場所にできると考えていいでしょう。長毛猫を飼われている方は、ブラッシングのときに入念にチェックするのがいいと思います。
毛玉危険箇所その4 意外! 首の下!
じつは、何気に注意が必要なのが首の下です。猫がコチョコチョされて喜ぶ場所ですね。
長毛猫の場合、首からお腹にかけてのゾーンって、こんもり豪奢にやわらかい毛が密生します。ノルウェージャンフォレストキャットのるーさんも、チンチラシルバーのステラも同様です。
なぜここに毛玉ができるのか? 原因は、猫のグルーミングです。たっぷりの唾液でこの箇所を舐めるわけですけど、唾液が毛に付着したまま固着することがあって、ブラッシングのときに、
「あれ!? 毛玉ができかかってる!!」
と思うことがたびたびあります。非常に目立つ場所なのでブラッシングをしていればたいがい気が付きますが、“できやすい場所”を覚えておいて損はないと思いますよ。
長毛猫に毛玉ができてしまったら
前述の通り、毛玉は股や脇など、脚の後ろに隠れた場所にできやすいので、大きくなるまで気が付かないことも多いです。ですので長毛猫を飼われている方は、それを念頭に置いてブラッシングをされるといいと思います。“毛玉未満”のものでしたら、ブラシをかけていればスルリとほどけてしまうことも多いので。
それでも、毛玉ができてしまったら。
まずは、“大きさ”と“硬さ”をチェックしましょう。小さければ、通常のブラッシングでも大丈夫。でも、長く飼われているうちにはきっと、
「うわ!! なんじゃこりゃ!!」
という大物に出くわすこともあると思うんです。そんなブツに遭遇したら、以下の対処法を実践してみてください。
猫の毛玉の対処法
僕の経験上、猫の毛玉にはいろいろな対処法があります。ひとつひとつチェックしてみてください。
対処法その1 トリミング用コームを使う
これが、もっともポピュラーな対処法かと思います。猫用のコーム。僕は↓こんなのを使っています。
ふだんのブラッシングも、最近はこれ1本で済ませることが多いかな。抜け毛が取れやすく、なおかつ細かい目のほうだと毛艶がよくなる感じがして、とても使い勝手がいいです。
毛玉を発見したら、まずは荒い目のほうでとかしてみます。
それほど強固なものでなければ、荒い目でとかすだけで解けてくれると思います。ある程度ほぐれたら細かい目に切り替えて、撫でつけるようにブラッシング。これだけでウソのようにきれいになる場合があるし、ときには毛玉そのものがスルッと取れたりします。そういう意味では、最初の対応として絶対的にオススメです。
▲細かい目のほうの先端部分で、引っ掛けるようにブラッシングするのがコツ。
ただし!!
「毛玉に引っ掛かった! このまま引っこ抜こう!」
なんてムチャなこと、絶対にしないでくださいね。毛が引っ張られる感覚は、人間と同じと考えてください。強引に引っ張られたら、痛いに決まっていますから。あくまでも優しく、無理のない範囲で対処してください。
対処法その2 ローションを使う
世の中には、便利なものがあるんですよねえ。毛玉用のローションです。
毛玉に少量つけて、もみ込むようにほぐすと、毛のもつれが解消されて毛玉がなくなる……というアイテムです。それほど強固な毛玉じゃない場合、これだけでいけるかもしれません。
じつは僕も、この手のローションをいくつも買って試しました。前述の通り、小さな毛玉だったらコレでいけちゃうと思います。ただ、無香料のものでもそれなりの匂いがあるので、猫が気にする場合があります。うちのるーさんがまさにソレで、気にして気にして仕方がなかったので、そのうち使うのをやめてしまいました。あと、この方法はそれなりに時間がかかるので、毛玉に対処しているあいだにジッとおとなしくしてくれている子じゃないと、なかなかむずかしいかもしれませんね。
対処法その3 毛玉を切る!
最終手段……というか、僕的に最善の対処法は“切る”だと思っています。とくに、頑固で大きい毛玉ができてしまった場合は、コレしか方法が残されていないんじゃないかなと。
もちろん、切る際には細心の注意が必要です。そして、切るにはコツがあります。
寝込みを狙う
猫が起きていると、そうそうおとなしく毛玉を切らせてはくれません。おとなしく、従順なるーさんでさえ、簡単には切らせてくれませんでした。
そこでオススメなのが、寝ているときw あの暴れ者のステラですら、寝ているとたいがいなことをしても大丈夫なので、僕はもっぱら寝込みを襲うようにしていますw
モノで釣る
寝ていても、毛をいじくられると起きてしまうことがあります。そんなときはお気に入りのおもちゃでジャラして気を引きましょう。あまり大暴れされると切れないので、じっくりと、何かを気にする状態にすると、案外毛玉を触っても大丈夫だったりします。
そして切るときに便利なのが、↓このハサミです。
これ、エチケットばさみ。まあ要するに、鼻毛切りですなw じつはこれ、猫のムダ毛を切るときにメチャクチャ便利で、すっかり愛用しているんです。何がいいかって、ハサミの先端が丸くなっていて、突き刺さらないこと!! 人間の鼻の粘膜を傷つけないよう、繊細に作られているものですから、猫にもバッチリです。僕はこのハサミを以って、ステラの寝込みに毛玉を切っております。
以上のことを知っていれば、毛玉ができても安心していられると思います。もしも巨大なブツを発見しても、慌てず、騒がず、冷静に対処してくださいね!
