ロイヤルカナンのすべてを聞き出すインタビュー!

20年以上にわたってゲーム業界で記者をしている僕ですが、もっとも長く担当したのが“ニュース”のページ。そこでは、ゲームクリエイターはもちろん、業界のVIPと言われる経営者や研究者にまで、それこそ毎週のようにインタビューを行っては、記事に起こしてきました。

そんな経験もあったので、当猫ブログでも、「いつかペット業界の方にインタビューして、深みのある記事を作りたいな」と思っていたのです。そしてやるなら、

「インタビュー記事の第1弾は……この会社しかないだろ!!

と、心に決めていたフードメーカーがありました。

それは……そう! ロイヤルカナン!!

プレミアムフード界の巨人にして、るーさんもステラも常食にしている“我が家の相棒”でもありますw

そんなロイヤルカナンの日本法人、ロイヤルカナン ジャポンさんに、ダメ元でアポイントを取ったところ……!

「ぜひお越しください!」

と、感激のご快諾!!!

今回は、ロイヤルカナン ジャポン コーポレートアフェアーズ サイエンティフィックコミュニケーションマネージャーで、獣医師でもある原田洋志さんにお話を伺った。

なんと原田さんは当日、メディアで取り上げられたこともある巨大な愛猫、メインクーンのポン次郎君も連れてきてくれたではありませんか!!

ずーーーーーん

 うは!!!! 超でっか!!! 俺が人生で見た猫の中で、圧倒的絶対的にいちばんデカいよポン次郎!!!w 原田さんといっしょに撮った写真を見ると、その大きさが一目瞭然となりますw

のび~~~ん……wwww

この、体重10キロにもなる巨猫・ポン次郎君を見届け人(?)とし、インタビューはスタートしました。たいへん詳しくお話をお聞きしたので、全3回に分けて、余すところなく記事にしたいと思います!

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【ロイヤルカナン】日本だけで200種類! あらゆるパターンに対応するフード

角満 本日はお忙しい中、お時間を取っていただいてありがとうございます! ウチはロイヤルカナンのヘビーユーザーなので、お話を伺うのを楽しみにしておりました。
原田 こちらこそ、よろしくお願いします!
角満 まず、そもそものことからお聞きしたいのですが、ロイヤルカナンの本社は、日本ではないんですよね。
原田 はい。フランスの会社になります。
角満 フランスで開発したものを、ロイヤルカナンの日本法人が販売している……という認識でよろしいですか?
原田 順を追って説明しましょう。もともとは南フランスの獣医さんが、1968年に作った会社です。ジャン・カタリーという方なんですが、当時、南フランスではたくさんのジャーマンシェパードが飼われていたらしいんです。
角満 ジャーマンシェパード? 犬ですね。
原田 はい。ところがジャーマンシェパードの間で皮膚病が蔓延していて、薬を飲ませてもすぐに再発するというイタチごっこになっていたんですね。そこで、“これは何か、根本的な原因があるに違いない”ということで調査をした結果、どうも食事がよくないと。というのも、当時の犬の食事は人間の食べ残しがほとんどで、栄養バランスがメチャクチャ。そこで、犬に必要な栄養素をそろえ、バランスも考えた食事を与えたところ、この皮膚病がキレイに治ってしまったんです。
角満 人間でも、キチンと栄養素を取り込むにはサプリメントや薬ではなく、ふだんの食事から……って言いますもんね。
原田 そうですそうです。で、最初は自分の病院にいらっしゃる患者さんにだけ特製ドッグフードを提供していたんですけど、口コミでどんどん広がって。最終的に、「欲しい人に行き渡らせるためには、ペットフードの会社にしてしまったほうがいい」ということで、ロイヤルカナンという会社が誕生したんです。
角満 そんな歴史があったのか……。そして現在も、南フランスでペットフードの開発が行われているわけですね。
原田 そうですね。

角満 その中にあって、ロイヤルカナンジャポンさんの役割は?
原田 日本用のパッケージを販売することがメインの業務ではありますが、もちろん、「日本ではこういった商品が必要だ」、「こんなのを考えてほしい」といった提案も行っています。それに応じて、日本に必要な製品も開発されていますからね。
角満 ああ、そうなんですか!
原田 ここがロイヤルカナンの、最大の特徴かもしれません。“売れるものを作る”のではなく、“必要なものを作る”という考え方なんです。
角満 ユーザーや、ペットのことを考えて?
原田 こう言うと語弊があるかもしれませんが、どちらかと言うとユーザーさんのことは、ちょっと置いてけぼりかもしれない(苦笑)。正直、猫と犬のことだけを考えていますね(笑)。
角満 なるほど! それで、あんなにたくさんの種類があるのか!(笑)
原田 はい(笑)。私たちの理念のひとつに“ドッグ&キャットファースト”というものがあります。つまり“すべては犬猫のために”。ワンちゃん猫さんの健康を保つため、彼らに必要な栄養を届けます……という考え方です。ずっと、犬本位、猫本位でやっているので、製品開発のための消費者リサーチって、一度もやっていないんです。
角満 え! そうなんですか!?
原田 はい。飼い主さんが何を求めているのか……ではなく、ブリーダーさん、獣医、獣医大学の研究生などなど、専門家の意見をもとに開発を行っているんです。たとえば、治験や専門家の意見をもとにして、「こういう猫さんには、どんな栄養素が必要なのか?」ということを学術的に突き詰めて、製品に落とし込みます。まずは、猫さん、ワンちゃんありき。だって猫も犬も、個体によってすべて違うじゃないですか。
角満 はい、そうですね。
原田 毛が長い子もいれば短い子もいるし、大きな子もいれば小さな子もいる……。さらに赤ちゃんのときと、年齢を重ねたあとに必要な栄養バランスって違ってくるので、どんどん細分化されていくわけです。それに対応するには、科学的に突き詰めて製品を開発するしかありません。私たちはこれを、“ヘルスニュートリション”と呼んでいます。
角満 ヘルスニュートリション?
原田 日本語に訳しづらいんですけどね。健康を保つために必要な栄養素のバランス……というニュアンスの言葉です。究極的には1頭ごとに必要な栄養バランスは違うので、それぞれにピッタリ合う製品を提供することを目標に開発を続けてきました。その結果、日本で販売しているものだけで、ロイヤルカナンは200種類ほどあります。
角満 !!!? 200種類!!?
原田 動物病院向けのものもありますけどね。いわゆる療法食と言われる、病気の犬猫用の製品です。加えて、ブリーダーさん向けの製品もあります。
角満 はいはい!
原田 ブリーダーさん専用の製品だと、かなりマニアックなものもありますよ。
角満 ほう。興味深いですね。
原田 たとえば猫さん用で言うと、“クイーン”という製品があります。これ、妊娠期のお母さん用なんです。
角満 ほーーーー!!
原田 ワンちゃん用はさらに細かく分かれていまして、“妊娠42日目までのフード”なんてのもあります。
角満 ええええ!? そんなに細かいんですか!?
原田 もちろん、それぞれに理由があります。ワンちゃんに関して言いますと、妊娠して最初の42日間……6週目くらいは、受精卵から小さなワンちゃんの形ができる時期なんですね。この、“ワンちゃんの形を作るために必要な栄養素”というものがあって、それをご飯に配合してあるんです。
角満 へえええええ!
原田 それを過ぎると、形ができあがった小さな赤ちゃんが、大きくなる時期になります。そのときにはまた、必要な栄養素が違ってくるわけです。
角満 そこでまた、餌を変えると……。
原田 “ゆりかごから墓場まで”って言いますけど、弊社は“生まれる前から墓場まで”のことを考えて、製品を開発しているんです。

【ロイヤルカナン】ペットフードオタクが作るプレミアムフード

角満 でも、それにしたって200種類ってのは、ちょっと桁違いですねぇ……。
原田 日本で販売していないものを含めると、全世界で300種類以上になります。
角満 日本で販売していないというのは、その国の風土に合わせてペットフードが作られているということ?
原田 いえ、もっと単純な話で、たとえば日本以外の地域では“スフィンクス専用フード”というものが売られています。
角満 スフィンクスというと、毛のない猫種の?
原田 はい。日本ではスフィンクスの愛好家は非常に数が少ないので、導入するに至っていないんです。
角満 なるほどね~。
原田 角満さんがおっしゃった“各地の風土”ですけど、たとえばノルウェージャンフォレストキャットは、世界中どこに行ってもノルウェージャンフォレストキャットです。そういう意味で、必要な栄養バランスも、世界中で同じになります。ただ気候に応じて、与える量を調整することはありますけどね。
角満 いま“猫種専用フード”のお話が出ましたが、これはどんなところで差別化して開発されているのですか?
原田 品種専用フードは、“その品種が持って生まれた特徴に合わせた製品”ということです。
角満 猫の種類によって、必要な栄養素は違うんですか?
原田 そうですね。たとえばノルさんは、毛が長いですよね? ペルシャも毛が長いので、パッと見ではよく似ていると言えます。でも、両者には決定的な違いがあるんです。
角満 身体の大きさですか?
原田 その通り! ノルさんは大型の猫種なので、ペルシャに比べると関節にかかる負担が大きいんです。

▲このインタビューの見届け猫・ポン次郎君は、驚くほど静かに、冷静に、我々の会話の行方を見守っておられましたw この圧倒的な風格たるや!! 我が家のニャンコ2匹には、決して身につかないものだわw

角満 あー……!
原田 その観点からノルさんのフードは、“関節の健康も考慮したもの”になっています。その点、ペルシャさんは関節については問題はないので、別の部分に注力して作られています。……でもこれ、猫の場合は、猫種による体格・体型の違いってそれほど大きくはないですけど、ワンちゃんの場合は極端ですよ。たとえばチワワだと、体重は2キロ弱くらいですよね? これが大きい犬種……グレートデンなんかだと、100キロ近くになるんです。その体重差は、じつに50倍!
角満 !!!
原田 ひとつの種の中で体重差が50倍もある動物って、犬くらいしかいないんです。だってこれ、小柄な人が40キロくらいだとすると、大きな人は2トン以上ってことになりますから(笑)。
一同 (爆笑)
角満 確かに!!(笑) そうなりますね!!
原田 それと、猫種によって罹りやすい病気や、生活習慣病のことも考慮してフードは開発されます。猫さん、ワンちゃんそれぞれ、品種というものは遺伝的に決まっていますから、その傾向を念頭に置いて、ケアできるところはフードからケアしてあげたいなと。
角満 たとえばペルシャだと、毛球症になりやすいとか?
原田 そうですね。加えてペルシャは、ご飯の食べ方が非常に特徴的なんですよ。実際に動画を見てもらうとわかるのですが、ペルシャって舌の裏側で餌を引っ掛けて食べているんです。

▲ロイヤルカナンさんからご提供いただいた資料。ペルシャの、あまりにもユニークなドライフードの食べ方をご覧ください。注目は左の写真。舌の裏側にドライフードをくっつけて(!)食べているのがわかる!

角満 あ!! ほんとだ!! へえええええ!!
原田 こういう食べかたをするので、ほかの猫さんと比べて食べるのがすごく遅いんです。これを踏まえ、いろいろな形状のドライフードを与えたところ、“アーモンド型”と呼んでいる形がもっとも引っ掛かりがよかった。こういう、食べかたの特徴も考慮して、猫種ごとの餌は決まります。
角満 食べかたに特徴がある猫種は、ほかにもいるんですか?
原田 たとえば、メインクーン。メインクーンは、餌の真上から上顎と下顎でカプッとかぶりつく食べかたをします。これだと、あんまりぺったんこのフードだと食べにくいため、四角くて立体的な形になりました。

角満 なるほど、ガブっといきやすいように。
原田 あるいはシャムの場合、ペルシャとは逆で、食べるのが早すぎるんですよ。
角満 ほー、そうなんですか。
原田 早く食べすぎるがために、「うぇ!」と吐き戻してしまうことが多いらしいんです。そこで、あまり早く食べられないように、粒が大きくて真ん中に穴が開いた、チューブ状の餌になっています。よく噛まないと飲み込めないサイズなので、自然と食べるスピードが遅くなる……という考えかたですね。

角満 ロイヤルカナンって、餌の形がてんでんばらばらじゃないですか。これ、何のためにこうなってんだろう……ってずっと疑問だったんですけど、そういうことかぁ……。
原田  形状だけでなく、餌の“割れかた”まで研究していますよ。
角満 割れかた?
原田 餌に歯が食い込み、何ミリ入ったところで割れるのか……ということを実験しているんです。
角満 ええ!? そんなことまで?
原田 はい、測っているんです。モノによっては、完成するまでに5000回くらい実験を繰り返したこともあります。粒の形が決まらず、何度も何度も実験を重ねていったら、そんな回数になってしまって(苦笑)。
角満 実験を繰り返し、動物のための最良の形に辿り着くために?
原田 そうですそうです!
角満 すげぇ……。まさに、動物本位だ……。すばらしい。
原田 この、手を抜かずに徹底的にやり込むところって、私個人の感想ですけど、「ウチの会社って、ペットフードオタクの集まりだなぁ」って思います(笑)。
角満 うんうん! わかるわかる!
原田 オタクの感性ですよね、こういうところって。
角満 はい、まさに“こだわり”ですよね!
原田 犬の場合、犬種によって、お煎餅みたいにパリパリ割れるのが好きな種もいれば、クッキーみたいにちょっとしっとりしているほうが好き……なんて子もいて。さらに言えば、“最初はゆっくり歯が入って、最後はパリッと割れるのが好き”なんてのもいたり(笑)。
角満 食通かよ!!!(笑)
原田 この逆を言うと、たとえばキャットフードで、魚の形をした商品がありますよね?
角満 はいはい、ありますね。
原田 あれを猫さんが見て「魚だ!」と思うかというと、絶対にそんなことはないじゃないですか。
角満 はい、思わないでしょうね。
原田 あれは猫さんのための形ではなく、“飼い主さんに喜んでもらうための形”です。
角満 うんうん。
原田 先程、“ロイヤルカナンは、飼い主さんのことを置いてけぼりにしているかも”とお話しましたが、こういうところなんです。形がかわいいとか、色がキレイとかいう“直接的に飼い主さんに喜んでもらうフード”ではなく、第一に考えるのはワンちゃん、猫さんの健康長寿飼われているペットが元気に長生きしてくれることで、“間接的に飼い主さんに喜んでもらうフード”ということになります。
角満 すごく、腑に落ちます。いやあ、すばらしい理念ですね。
広報:菅 先程原田が“ロイヤルカナンはオタクだ”と話しましたが、実際にグローバルで使われている共通のワードがあるんです。“obsessed with health nutrition”obsessedは、“取り憑かれる”というニュアンスですね。まさにロイヤルカナンは、グローバルで“犬と猫の健康”に取り憑かれているわけです(笑)。
角満 日本だけじゃないんですね(笑)。
原田 皆、自覚はしてるんです(笑)。

★2回目に続く~!

※続きは金曜日(2月1日)にアップ予定!

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コメント一覧
  1. はじめまして。いつも楽しくそして楽しみに拝見しております。角満さまのルナちゃんへの無条件の愛情が楽しくアルアルで伝わってきます。我が家にも5か月ノル ティアラがおりまして、”長毛種だろ疑惑”を調べていた所、こちらの楽しいブログに巡り合えました。私も、2年前に愛猫を亡くしペットロスから体調不良、もうこんなに悲しい思いはしたくないって思っていましたが、ティアラとの出会いは、私を変えました。まだ5カ月なので、ルナちゃんの成長記録を参考にさせていただきながら、ティアラの成長、ロン毛を楽しみにしています。琥珀ちゃん気になります。ʕ•ᴥ•ʔ
    ロイヤルカナンもとても参考になります。 ノルは、ホントに可愛らしい元気な、甘えん坊で、暴れん坊で、とっても愛らしいですねー。これからも楽しみに拝見させて頂きます。どうぞ宜しくお願いいたします。

  2. アバター 大塚角満 より:

    コメントありがとうございます! 僕とまったく同じ体験をされているんですね。心中お察しします……。
    猫って亡くなるときに、飼い主の心に猫の形をした穴を開けていくから、埋めるにはまた猫と暮らすしかない……なんて話がありますけど、ペットロスを経験すると、それもあながちウソじゃないかもな……なんて思うんですよね。

    5ヵ月のノルですか! これからガンガン大きくなっていく時期ですねーw ノルは元気で暴れ者でも、根がすごく優しいから、成長とともにいろいろな体験を提供してくれると思いますよ!

    これからも、ぜひぜひご愛読ください! ありがとうございました!