猫が味を感じないなら……ロイヤルカナンのアプローチとは?

ロイヤルカナンの原田洋志さんに聞くインタビューも、いよいよ最終回。まずは復習がてら、過去2回の記事に目を通されることをオススメします!

さて今回はさらに踏み込んで、猫の食事についての疑問、猫のおやつに関する考えかたまで、幅広く答えていただきました。そして最後に、ロイヤルカナンが取り組む今後の課題にまで言及--。

至福の時間だったインタビューも、いよいよクライマックス! どうぞ読んでください!

▲ロイヤルカナン ジャポンの原田さん。非常にわかりやすく、丁寧に、ロイヤルカナンのことを教えてくださいました!

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【ロイヤルカナン】猫の擬人化は……ご法度です!w

角満 ここで、ぜひお聞きしたいことが! ウチ、まだ生後10ヵ月のチンチラペルシャと、今年3歳になるノルウェージャンがいます。猫種も年齢も違うので、それぞれに合ったロイヤルカナンを与えているんですけど……目を離した隙に互いの餌を食い合っているんです(苦笑)。これって、やめさせたほうがいいんですか?

▲猫おやつに群がる猫軍団。右がノルウェージャンフォレストキャットのルナ、左がチンチラペルシャのステラです。

原田 ダメ……ではないです。大丈夫ですよ!
角満 ああ、よかった……。
原田 ペットショップ等で売られている製品は、すべて総合栄養食です。生育に必要な栄養は、全部入っています。ですので、猫種の違うフードを食べたところで、具合が悪くなったりすることはありません。
角満 ホッ……。聞いて安心しました。
原田 それを踏まえたうえでロイヤルカナンは、その猫種にとってよりベストな栄養配合のものを提供しているんです。たとえばノルウェージャンのような大型の猫種の場合、関節に負担がかかることが多いので、より骨や関節にいい栄養素が多く含まれています。ペルシャはそこまで関節にこだわる必要はないので、長い被毛対策に寄ったフードになるわけです。その猫種に“よりピッタリなもの”ですので、長い目で見たときに専門のフードのほうがいいですよ……となります。
角満 いやーよかった。すごいんですよ、お互いのご飯を食べたがって。
原田 猫ってそうなんですよねー(笑)。ウチも猫が2匹いるんですが、あるとき、何かのサンプルでもらったアメショー用のフードを、(アメショーではない)小さいほうの猫にあげたんです。先ほど言いましたように、猫種が違うフードでも問題はありませんから。すると、それまで特定のご飯を文句も言わずに食べていたのに、アメショー用のを食べた瞬間から、いままでのご飯を食べなくなってしまったんです。
角満 うわ! ネオフィリア!(笑)

原田 「違う食べものもあるやん!!」って、気づいてしまったんですよねえ……。
一同 (爆笑)


|・`ω・)気づいているんやで

角満 ついに気づいてしまった(笑)。
原田 完全に、ネオフィリアを誘発してしまいました(苦笑)。迂闊にとっかえひっかえあげていると、猫は好奇心から「いろいろなものを食べたい!」と考える習性があるので、ネオフィリアを発動させてしまうことになるわけです。「いつも同じものを食べて……つまらなくないのかな?」と考えるのは、人間の感覚。食べ慣れているってことは、イコール“安心して食べている”ということなので、無理にいろいろな種類のものを与える必要はないんです。
角満 ずっと思っていたんです。「飼い猫に、日本人にとっての“お米”と同じような、飽きがこなくておいしいご飯を見つけてあげたい」って。というのも、以前飼ってた猫のときはロイヤルカナンではなく、まさにスーパーとかで売っているキャットフードをとっかえひっかえであげていたんですね。「いろいろ食べられて、このほうが猫も幸せだろう」なんて考えて。でもいま、毎日飽きずにロイヤルカナンを食べている飼い猫を見ると、「ああ、やっと、お米を見つけてあげられたのかも」って思います。
原田 そう言っていただけると、うれしいですねえ……。もともとロイヤルカナンにはタンパク質が多めに入っているんですけど、これはおそらく、食べ飽きが来ないように最初から設計されていたんだと思います。
角満 いやー、オタクはすげえなぁ!
原田 ロイヤルカナンがフードをどう捉えているかと言うと、“健康に生きていくために必要な栄養素を取り込む手段”と考えているんです。そういう意味では、原材料そのものを重視することは、あまりないです。というのも、猫が肉を食べるのは、肉が食べたいからではなくて、肉に含まれる栄養素を必要としているからです。ですので、猫がきちんと消化吸収できて、身体の中に届けられるのなら、動物性タンパク質ではなく、植物由来のタンパク質でもいいんです。しかし、必要な栄養素を完璧にそろえたフードが作れたとしても、食べてくれなければ本末転倒です。そこで、粒の形ひとつから研究して、キチンと食べてくれるものを開発しているわけです。
角満 お話を聞いていると、大事なのはあくまでも栄養素で、味についてはそれほど重要視されていないように思えますが。
原田 猫さんに関して言えば、味はほとんどわかっていないと思います。
角満 え!!! そうなんですか!!?
原田 味を感じるのは舌についている“味蕾”という組織ですけど、人間が9000個ほどあるのに対し、猫さんは400個程度しかないんです。
角満 うわあ……。それは……味音痴ですね!!(笑)
原田 物理的に舌が小さいのもあるんですけどね。その400個ほどの味蕾で、猫は何をしたいのか? おそらくおいしさを味わうことよりも、食べられるものなのかどうかを判断するために使っていると思います。ですので、苦味や酸味にはすごく敏感なんです。
角満 より機能的な気がしますね。余計な要素を排除しているというか。
原田 そうですそうです。
角満 今日は腑に落ちてばかりだなぁ。でも、猫のおやつってたくさん出ていますよね。あれについても、必要な栄養素がたくさん入っているから飛びつく……と考えていいんですかね?
原田 そうですね。とくにタンパク質の含有量が多ければ、喜んで食べると思います。
角満 へーーー! ……そういえばロイヤルカナンさんは、猫おやつをラインナップしていないですよね。
原田 私たちの理念のひとつに“Knowledge &Respect”、つまり“知識と敬意”というものがあります。知識というのは、先ほどからお話していますが、“猫のことをキチンと知らなければ、彼らにピッタリなフードは作れない。ゆえに、知識が必要”ということ。知識を得るために猫と向き合っていると、改めて気づくんです。「ああ、猫は人とは違う世界に生きる生き物なんだな」って。その世界を、我々は尊重します。その世界を、リスペクトします。ですから、私たちの御法度のひとつが“ペットの擬人化”私のPCの壁紙は飼い猫がコスプレしている写真なんですけど、社内的には完全にNGだと思います(苦笑)。
一同 (爆笑)

▲るーさん、サメに喰われる。こういった被り物も、ロイヤルカナン的にはNGなんだとか。

原田 たとえば、猫さんがロイヤルカナンのフード食べて、「おいしいにゃん!」なんてフキダシをつけることは、絶対にダメ(笑)
角満 あははは! そうなんだー!
原田 その流れから、“猫の世界には、おやつってないよね”ということなんです。猫の世界にないものを弊社が取り入れることはない、ということですね。
角満 そうかそうか。よくわかります。
原田 どうしてもおやつ的なものをあげたいのであれば、ロイヤルカナンのフードをおやつ代わりに与えていただければいいかな、と。
角満 そうか! 確かに、そういう考えかたもありますね!
原田 おやつは、人があげたいもの。彼らが欲しがっているのは、単純に食べ物……というか栄養素ですね。ただ将来的に、“おやつは与えたほうがいい”なんていう研究結果が出れば、開発に乗り出す可能性はゼロではありません。
角満 あくまでも、動物本位の考えかたなんですね。
原田 そうですね。その中で、栄養学の世界も日進月歩ですので、いいところはどんどん取り込んで、フードの開発に活かしていこうと考えています。 そのせいもあって、ロイヤルカナンは他社さんと比べて、頻繁にアップデートが行われます。たとえば以前、アミノ酸の一種の“リジン”がヘルペスウイルス感染症の予防にいいという研究がなされて、子猫用のフードに取り入れたんです。ところが数年後、どうもさほどの効果は見込めないらしいということになって、すべて元に戻しました。
角満 元に戻さなくても、害はなかったのに?
原田 はい、まったく問題はなかったんですけどね。あらゆる国で発売されているフードも、パッケージも、すべて作り直しました(苦笑)。
角満 とんでもなくお金がかかるじゃないですか!
原田 べらぼうな手間とお金がかかるんですけど……「だってそれ、必要ないでしょ?」って。このへんは、頑固な職人そのものです。オタクであり、頑固職人。それが、ロイヤルカナンの気質なんですよね。

【ロイヤルカナン】食料資源のことも念頭に開発を行う

角満 では、そろそろ時間もアレですので、今後についてお聞かせください。ペットフードを作っていくにあたって、大切にしていきたいことは?
原田 先程からお話ししていますが、もっとも大切なことは“猫さん、ワンちゃんに必要な栄養バランスの製品をお届けし続けること”です。幸い、最新のロイヤルカナンアジア工場が、先日韓国でオープンしました。そこはアジアパシフィック向けの工場ですので、そのエリアのワンちゃん、猫さんに合わせた製品を重点的に作ることができるんです。加えて、最新鋭の設備で作りますから、いままでのものよりもおいしかったり、消化性が高いものも作れるんですね。もちろん、ロイヤルカナンは世界のブランドなので各地域で発売されているものは同じなんですけど、今後はさらに国や地域に特化した製品も作っていけるようになると思います。
角満 おおおお! いいですね!

▲1時間半に及んだインタビューを見届けた、巨大メインクーンのポン次郎。このあと、抱かせてもらったけど、正直猫を抱いているとは思えませんでしたw 「ラ、ライオンか!?」って感じw ウチのるーさんも、これくらい大きくならないかなぁw

原田 もうひとつ、ロイヤルカナンは“マースグループ”の一員なんですけど、グループ全体で取り組んでいることのひとつに“サスティナビリティ”(持続可能性)があります。持続的な環境への負荷を考慮しながら、ペットフード作り続けたい。具体的には、いま魚の乱獲が世界的に注目を浴びています。これを踏まえてロイヤルカナンでは、“乱獲していないことがキチンと証明されているサプライヤー”のみから魚を納入しているんです。環境に負荷かけずに魚を調達してくれるところとしか、契約していません。さらに将来的には2040年を目処に、工事では化石燃料は使わない方針を立てています。このように、あらゆる環境負荷を考えて、今後もいい製品を作っていく所存です。
角満 スケールが大きいですね。すばらしいと思います。
原田 猫さん、ワンちゃんは我々にとって大事な存在ですけれども、だからといって同じ皿を取り合うのは健全ではありません。ですので、人類の食料問題に影響を及ぼすことなく、どのような形でペットフード作り続けられるのか……ということを、つねに考えているんです。
角満 わかりました。お話聞いて、ウチの猫のためにロイヤルカナンを選んで、本当によかったなと思いました。
原田 そう言っていただければ幸いです!
角満 途中でも言いましたが、ずっと探していたんです。猫にとってのお米を今後も引き続き、ロイヤルカナンユーザーであろうと思います!
原田 そのお言葉を聞いて、私の役目は果たせたと思いました!(笑)
角満 たいへんおもしろかったです! 本日は本当にありがとうございました!

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